<放送市場向けブランド・ピックアップ>
放送・オーディオ業界の未来を牽引する注目ブランドの最新動向
2026年のNAB Showは、放送とオーディオの境界線を越え、クラウド、IP、そしてAI技術がかつてない次元で融合する展示会となりました。CALREC、RIEDEL、DHD.audio、SONIFEX、WorldCast Systems、DEVA Broadcastの展示内容と最新トピックスをお届けします。
CALREC:クラウドとソフトウェアが切り拓く「境界なき制作環境」
CALRECのブースで最も熱い視線を集めていたのは、昨年発表された48フェーダーのST2110対応放送コンソール「Argo M」です。

さらに同社は、音声と映像を統合したソフトウェア定義型の制作環境を推進しており、Grass Valley社との長期提携を発表。仮想型DSP「ImPulseV」と同社のクラウド型プロダクションプラットフォーム『AMPP』の連携、仮想化技術によってスケーラビリティが大幅に向上する様子が紹介されました。また、世界的な放送プロダクションカンパニーであるNEP Groupとの提携も発表され、業界内での存在感を一層高めています。
さらに、ArgoシリーズやType R向けの新ソフトウェアアップデートによりオペレーター機能が強化されたほか、True Control 2.0によるシームレスなREMI(リモート制作)ワークフローを体験可能な展示を行っていました。
クラウド、オンプレミス、ハイブリッドを横断する柔軟な運用を提案し、高品質を維持しながらも拡張性と運用自由度を大幅に向上させている点が、今年のCALRECの最大のハイライトと言えるでしょう。
RIEDEL:アワード受賞と、さらなるIPインターフェースの拡充
革新的なソリューションを次々と生み出すRIEDELからは、「MediorNet HorizoN ST 2110 Multiviewer App」が見事NAB Show 2026を受賞する快挙を成し遂げています。

※写真引用元:RIEDEL Communications 公式LinkedIn
▲HorizoN ST2110 Multiviewer
ハードウェアの新作としては、1Uサイズのコンパクトな筐体に6つのユニバーサルInputと6つのユニバーサルOutput出力を搭載した放送品質のオーディオインターフェース「StageLink NSA-008A」が初展示されました。また、1200シリーズのデスクトップSmartPanel向けに、コメンタリーパネル用の機能アプリケーション「Commentary Control App」も登場し、運用の幅を広げています。

▲NSA-0008A
そして何より業界に大きな衝撃を与えたのは、Thomas Riedel氏が名門企業であるARRIを買収したというプレスリリースです。映像と音声の垣根を越えた今後の展開に、世界中が熱い視線を注いでいます。
DHD.audio:30周年の節目に「AIノイズリダクション」という新たな武器を
創立30周年という大きな節目を迎えたDHD.audioは、ブランドロゴをスタイリッシュに刷新し、新たなステージへの幕開けを印象付けました。

目玉となったのは、XD3 IP Core向けに発表されたAIベースの音声ノイズリダクション機能です。ai-coustics社との共同開発によって誕生したこの機能は、従来のフィルターよりも高精度に環境ノイズを低減できる画期的なものです。スポーツ中継や屋外取材といった過酷な現場での雑音除去に非常に有効であり、処理強度をコンソールやリモートから柔軟に調整できるのも大きな魅力です。既存システムにも新規システムにもライセンス提供されるため、IP音声制作環境を即座に強化できる実用性の高さが評価されていました。
SONIFEX:現場のニーズに応える万能モニタリングユニット
堅牢かつ高品質な機器で定評のあるSONIFEXは、現場のモニタリング環境を劇的に改善するソリューションを展示しました。

注目を集めたのは、モニタリングユニットの「RM-X-64-DNT」および「RM-X-64-RAV」です。DanteまたはRavennaのAoIPに対応するだけでなく、MADI、SDI(12G)、アナログ、デジタル入出力を網羅して搭載しています。あらゆるフォーマットが混在する現代の制作現場において、これ一台で確実なモニタリングを可能にする頼もしい存在です。
WorldCast Systems
現代のラジオ運用に不可欠なネットワーク化と遠隔運用に焦点を当てました。クラウド型監視システム「Kybio」や各種送信・伝送関連ソリューションを展示し、包括的なラジオ運用基盤を提案しています。また、日本での取り扱いは未定ながら、新型の放送監視ソリューション「Audemat FM/HD Probe」も展示され、関心を集めていました。
DEVA Broadcast
ラジオ放送現場の屋台骨となる送信・監視・音声処理ソリューションを中心に展示を展開。安定した放送を維持するための実践的で信頼性の高い機器群が、多くの放送技術者の足を止めていました。